9発目です
桃子だけど。
冬って感じの気候になってきましたね。コンビニのコーヒーが美味しい時期です。
ミリアニ、見てくださいね。
ミリアニ、見てくださいね。
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ゲゲゲの鬼太郎。
なんて馴染み深い響きでしょうか。
アニメシリーズは50年以上に渡り制作が続き、水木しげる氏亡き後も妖怪モノの第一線を走り続けています。
あの主題歌を知らない日本人はきっといませんよね。
そんな鬼太郎シリーズですが、当初は『墓場鬼太郎』のタイトルで今よりもダークなイメージの作品だったようです。鬼太郎誕生のシーンなどにはその名残が残っていますね。
歴史が長く、数々のメディア展開が存在する作品である故か、鬼太郎の設定は様々なものが存在しています。
2023.11.17より公開中の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』もその一つ。「怪奇物語」としての側面を強めたこの作品がとても面白いものでしたので、今回久々に(!)記事を書いている次第です。
以下、映画のネタバレに触れまくった感想文です。さっさと映画館に行った方が身のためですよ。
上で偉そうに語った割に、あんまり詳しくないのです。
『鬼太郎の誕生』を読んだことがある他には、高山みなみ氏が主演した第五期のアニメを見ていたぐらい。
何が言いたいって、前提知識はそのぐらいでも全然大丈夫って話です。
ここからは、時系列に沿って。
最初は現代のシーンから。沢城みゆき氏の鬼太郎はクールさが際立っていてまたいいですね。「得体の知れない少年」感がすごくありました。
そして鬼太郎を追い立てる雑誌記者。このあたりは見慣れた感じがありますね。
知らない爺ちゃんがいきなり亡くなったシーンから過去編がスタート。このあたりで前に座ってた子供が引いてました。PG12なんだけどね。
電話を受け慌てる上司を横目に動き出す男が一人。血液銀行で龍賀製薬を担当していた「水木」は、かねてより調べていた龍賀家に関する極秘案件を胸に、「哭倉村(なぐらむら)」へと向かいます。
水木、かっこいい~…。バリバリに仕事ができるオーラがあり、スーツがよく似合います。木内秀信氏の声がまたハマっていること。作中でもイケメン扱いを多々受け、なんとなくサービスシーンが多い感じがありました。しょうがない。
おやじ登場!現代のシーンだとコミカルな感じなのに、五体揃ったおやじはしっかりと怪異でした。関俊彦氏も不思議なニュアンスで演技をしていて、鬼太郎始まった感じがありました。
下駄の鼻緒が切れてしまった少女との出会い。
まだこの時は内心キャッキャしながら見てました。沙代さんとの出会い。
名家の少女そのものって感じの雰囲気が可愛らしく、東京って聞くだけでよそ者へのガードが下がるのも時代だよなぁって。
さらには、いい子オブいい子の時ちゃんとも邂逅。聞き分けよく、賢い子で微笑ましい。
因習村~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
デカい和室!白眼視!婿入りだからデカい顔出来ない跡目候補!ゲキヤバ長男!
キツネ目の男(CV:石田彰氏)が村長って時点で最強です。
ケバオバを演じる皆口裕子氏が結構新鮮でした。龍賀家の女性たちはキャラ立ちがすごい。
『八つ墓村』などへの熱いリスペクト精神を感じました。
ねずみ男も丁稚奉公みたいな姿だと可愛げがありますね。
画像を貼らずにスレ立てしたため磨呂長男が死亡。スピード感。直前の演出もあり、なんとなく犯人は察してしまうところでしたね。そして、水木がまともな部屋で眠った最後の夜でした。PEACE美味しそう。
怪しいよそ者を下手人と決めつけてあっさりその場で刑執行。慣れすぎ。絶対日頃からなんかやってるって確信しました。
あ~、ねずみ男が「ゲゲっ!」って逃げたから「ゲゲ郎」ね~…。
?
ここの大人二人と時ちゃんとの会話、すごくいいなって思いました。僕もリアルなことを言ってしまう方です。
ゲゲ郎がお風呂好きなの、安心感がありましたよね。目玉おやじなんだなーって。
水木が振り回されまくっているのが面白い。
東京の茶屋に憧れる沙代さん。列車で半日程度の東京をまるで外国のように語る姿は、如何に村で不自由を感じているか想像できて苦しい物がありました。
龍賀家次女、飲んだくれていたかと思いきや死亡。テンポが最高にいい。沙代さんと仲良くしているのを見られていた矢先のことでした。
一方、長女は時ちゃんを後継者にするべく、母親である三女にプレッシャー。ここでようやく釘宮理恵氏だって気づいた。
龍賀家の秘密、「M」の秘密が明らかになるシーン。豊かな者たちの舐め腐った言動にひっそりキレる水木の描写で、やっと彼の本質が掴めた感じがしました。そして、戻るや否や離れ島に特攻するゲゲ郎の姿。いけ好かねえ男のハズなのに苦労しまくってるのがいいですよね。
「穴ぐら」からの救出劇を経て、妖怪の世界に足を踏み入れる水木。狂骨はルーツがルーツだけに、最強格の妖怪になることも多いです。妖怪ちゃんちゃんこはまだないんだなーって思いました。
沙代さん~~~~~~~~~……沙代さん………。
水木、なんて罪深い男なのだろう。「それをやったら終わりだろ!!!」って心のアラートがガンガンに鳴り響いてました。夕日があまりにも美しい。
俺もゲゲ郎と墓場で飲みたい。釣瓶火にタバコの火をつけてほしい。
妻を探すために利用する会話から世話を焼く会話に移ったのは、二人の間に絆が生まれたことを感じさせました。
人との共存を謳う妻が何よりも美しかった…。虐げられる者たちからの言葉が、あまりにも重い。
一方で、水木の傷にも触れていく。水木しげる先生の体験談にもこの場面があったそうで。死にたくないのはわかるけど、他人には命を張れって言えちゃうのはよくわからない感覚です。
でも、うら若き少女の心を弄ぶ理由にはならないのだ…。
孝三おじさま、エンドロールで中井和哉氏だとわかってびっくり。およそ人の言葉を話してないから気が付かなかった。
ゲゲ郎強すぎ。尋常ならざるフィジカルで裏鬼道を相手に無双するとは思わなかった。ド級の狂骨には敵わなかったが…。怨霊を使役する呪文が「オン!」なの…?関俊彦氏の演技が全然若い。デュオ・マックスウェル。
明かされる真実。因習の果に見たものは、大日本帝国が覇者となる世界。単なる因習村ではなく、国家論をやりたいのだとこのあたりでようやく気づきました。素晴らしき大望を理由に、力を持つ者から吸い上げる。
水木が最も怒り、軽蔑するものがここにもあった。彼はこの瞬間から主人公になっていったように思えました。
ゲゲ郎のピンチに水木登場。ここまでは痛快活劇でした。ここまでは…。
案の定、沙代さんは時貞の「お気に入り」で、連続殺人の犯人。依代の話から察してはいたけど。
水木の態度が、過剰な自罰的意識が、戦争の傷が、彼女のすべてを壊しました。ギリギリ踏みとどまっていたダムを決壊させたという方が正しいのでしょう。
水木の首を締めるシーンがあまりにも悲痛でした。そして、罪ある彼女の亡骸は骨さえも残らない。
でも、沙代さんが間違えていたなんて誰が言えるのでしょう。だって、村の中しか知らないのだから。賢いあまり、東京に出ても女は不自由だって理解していたけど、それでも縋りたかったのだから。不誠実な男でさえ、運命の人に見えてしまったのだから。
てか、村人全員グルって。咳き込んでた死人って電車のあの親子ですよね?
こいつら消さなきゃ…。
ゲゲ郎と共に最深部へと乗り込むシーン、最高にかっこいい。何がいいって、ゲゲ郎が何も言わないこと。「それ見たことか」ぐらいは思っただろうに。
時ちゃんの尊厳でさえ踏みにじられて、唖然としました。地に足がついていないジジイの譫言が、日本の明るい未来を夢見る少年からすべてを奪ったのですから。
大いなる目的のために、人と認めない者たちの血を躊躇なく流す。狂った薬品で「たるんだ」国民を再起させる。何も対価を払わずに戦争を過ごした老人の妄想は、ここに最悪を極めました。
妻と再会出来たゲゲ郎の痛ましい姿…。時貞が幽霊族を踏みにじる発言をするたびに涙を流す彼女の姿は正視に耐えないものでした。
そして、カタルシスの開放!!!
突然ですが!!!!!!皆さんの作中一番好きなセリフはなんですか??????
「あんた、つまんねぇな」ですね!!!!!?????
これが昭和メンタリズムです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
失敬。
水木が描くのし上がりビジョンそのもの丸ごと斧でぶっ壊す。最高ですね。家で見てたら叫びます。
ド狂骨が急に頼もしく見えてくる。
そして、ゲゲ郎と水木の別れのシーン。
ゲゲ郎は「我が子の生きる世界」、
そして、
友よ!お主が生きる未来を、この目で見てみとうなった!!!!
漠然とした概念のために命をかけられる人はいません。そんなのって馬鹿ですから。
でも、近しい人のためになら、かけてみてもいいのかも知れないですよね。僕は、愛国心や愛郷心というものの本質はこうであると思っています。僕は命を張るのは御免被りますが。
そして、再び現代へ。でぇベテランの目玉おやじで一安心。
記者を襲う狂骨の生き残り、その正体は時ちゃんでした。
時ちゃんの涙に釣られる。ごめんな、大人がこんなんだったばかりに…。
時ちゃんが夢見た万博的世界は今以て叶っていません。今を生きる我々からすれば明らかでした。
彼の願いは、語り継ぐこと。記者が急に真面目になりました。
なんと、再び過去へ。『鬼太郎の誕生』でもよく知れたシーンが、この2時間を経た我々には全く違うものに見えました。
記憶はないけど、心が覚えている友の記憶。
ほのぼの子育て二次創作が盛り上がるのもよくわかります。
エンドロール…。呆然としながら見たのは久々でした。漫画で見慣れたシーンなのに、肉付けされているから涙がひとしお。BGMのみでしたが、却って余韻に浸れました。
傑作!!!
今年ナンバーワン候補が年末に滑り込んできた。現代とも連関してしまうテーマを下に敷きつつ、エンタメ要素もバッチリ。
キャラ萌えも押さえながら、ダークなストーリーを遠慮なく展開していきました。
時系列順に、と言いつつ記憶もおぼろげなので、もう一回は行きたいと思っています。
パンフレット欲しいからね!!!!なんで無いのよ!!!!!キー!!!!!!
そんなわけで、ゲゲ謎の感想でした。未見でここまで読んだ人がもしいるなら、すぐに劇場行こうね。
映画が昭和舞台なものですから、定食がよく出てきました。
水木の食べっぷりがまた美味そうで…。
個人経営の定食屋をいくつかマークしてるので、行ってみようかなと思います。
それでは皆さんさようなら。